病んでる僕と最強の勇者たち
「おバカな女剣士ね。

二人で戦えば、勝てる確率が上がるのに」



「黙れ!」



マギーはドロレスの言葉を一蹴した。



「私の美学に反する勝利は、今まで積み上げてきた私の歴史を裏切る行為だ。

私は私の剣でお前を倒す。

ただそれだけだ」



「その下らない感情のせいで、お前はここで死んでいくの。

私のデーモンズクローで、お前の全身を斬り刻んでやる!」



そう言ったドロレスが、また風のような素早さで、マギーへと突っ込んできて、マギーの腕を斬り裂いた。



ブライアンはどうしても自分の戦い方を変えようとしないマギーがもどかしかった。



そして、それからの二人の戦いは、一方的な展開になっていった。



マギーの剣はドロレスにかすりもせず、一方でドロレスのデーモンズクローはマギーの体を確実に斬り刻んでいった。



ブライアンはそんな二人の戦いを見つめながら、自分の電光石火の剣ならば、ドロレスを捉えられるのにと思って歯がゆかった。



でもブライアンは、どんなにマギーが劣勢な状況でも、マギーの勝利を信じていた。



マギー・フォーという美少女剣士は、どんなに強い剣士よりも、気高く、男らしい剣士だから。
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