病んでる僕と最強の勇者たち
(勝利のために、剣を速く振り抜く。

ただひたすらに速く！)



「マギーの剣のスピードが上がった……。

マギーのヤツ、まだ実力の底を見せてなかったのか……」



しだいに上がっていくマギーの剣のスピードに驚きながら、ブライアンがそうつぶやいた。



そしてマギーの上段からの振り下ろしと、中段からのなぎ払いは、高速で十字を描き、ドロレスへと迫っていた。



「しだいに剣のスピードが上がっていく……。

どうして？

この女剣士のスピードが、この私を上回るって言うの？」



十字の文字を描きながら無心になって振るマギーの剣が、しだいにドロレスを圧倒し、攻守がついに逆転した。



ドロレスはマギーの剣をかわすのがやっとで、段々と後ろに下がっていた。



「私は闇の魔王、ダーギル様の二大将の一人。

こんな女剣士に、この私が負けるはずはない！」



ドロレスは高速で振り抜いてくるマギーの剣の一瞬の隙をついて、マギーの首をデーモンズクローで斬り裂きにいった。



頸動脈を斬れば、この女剣士との戦いは一瞬でけりがつく。



ドロレスのそんな思いを込めたデーモンズクローが、目にも止まらぬ速さで、マギーの首へと迫っていた。



でもマギーは、そんなドロレスの高速で襲いかかってくるデーモンズクローを見切り、ドロレスの右腕を上段からの振り下ろしで斬り落とした。
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