病んでる僕と最強の勇者たち
「それでは非力な賢者をこのオレ様がなぶり殺しにしてくれよう。

走れ、ブラックデーモン。

あのガキの賢者を血祭りにしてやるぞ!」



エドモンドはそう叫ぶと、また片手剣を振り上げながら、大きな黒い馬と共に僕の方へと迫ってきた。



(今度はエドモンドの攻撃を受け止めない。

僕がエドモンドに勝つためには、エドモンドの攻撃をかわして、攻撃の後のエドモンドを斬るしかない。

僕ならそれができる。

絶対に!)



元の世界にいた頃の僕は、たくさんのことをあきらめながら生きていた。



そんな僕を見る周りの目は、僕をダメな人間だと否定していた。



ヘタレな明彦のレッテルを貼られた僕は、そのレッテルを覆す気力もなく、ただ部屋に引きこもり、大好きなアニメを見ていた。



二次元の世界に住む大好きなキャラクターたちだけが僕の友達で、いつしか僕は誰にも本音を言わなくなった。



でも、そんなヘタレな僕の黒歴史が、大切な仲間たちを得て終わりを迎えた。



今の僕は大切な仲間たちのために、命をかけて戦う最強の賢者だ。



僕はもう元のヘタレな明彦には戻れない。



僕には最強の仲間たちがいるから。



僕はその最強のパーティの一員だから。
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