病んでる僕と最強の勇者たち
(アニメやゲームに出てくる最強の賢者って、いったいどんな気持ちで戦っていたのだろう?

強いってどんな気持ちなのか、いつもバカにされてた僕にはわからない。

もしも僕の夢が叶うなら、僕は最強の賢者になりたい!

僕は憧れの最強の賢者になって、強い敵を倒したい!)



子供の頃の僕の夢が叶う日が来るなんて、僕は少しも思ってなかった。



でも、今の僕は子供の頃に憧れたあのシチュエーションの中に立っている。



最強の賢者、但野明彦は、迫り来る強敵に剣を向け、その敵を斬る!



僕はそんな思いの中でエドモンドを見ていたとき、すべての景色がゆっくりと流れていく錯覚に陥っていた。



そして僕は、僕の頭上に迫るエドモンドの剣をギリギリで右にかわし、一瞬だけ無防備になったエドモンドに全力で細身の剣を振っていた。



(この一撃で勝負を決める!

僕は最強の賢者、但野明彦。

僕がこの強敵を倒すんだ!)



僕の願いを込めた細身の剣が、エドモンドの鎧を斬り裂いた。



その瞬間、僕の心の中は歓喜の気持ちで満ちていた。



僕は強い!



僕こそが最強の賢者だ!
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