病んでる僕と最強の勇者たち
「明彦君、エドモンドの様子がおかしいよ。

まだ勝負は終わってないよ！」



僕はリリーのその言葉を耳にして、胸を斬り裂かれ、大きな黒い馬から落下したエドモンドに目を向けた。



そしてそのとき、僕もエドモンドの異変にすぐに気づいた。



僕がエドモンドの胸を深く斬り裂いたはずなのに、エドモンドの胸からは一滴の血も流れてこない。



そして僕が胸を斬ったエドモンドの鎧の中をのぞき込み、僕はエドモンドの正体に気づいて驚愕していた。



(エドモンドに実体がない。

これって、いったい……)



「明彦君、エドモンドは実体を持たないモンスターなんだよ。

その鎧を消滅させない限り、エドモンドは何度でも立ち上がってくるんだよ！」



僕はリリーのその言葉にゾッとしていた。



もしもリリーの言うことが本当ならば、エドモンドは無敵ということになる。



それならば、どうすればエドモンドを倒せるのだろう？



僕がそう思っているとき、また僕の後ろからリリーの声が聞こえてきた。



「明彦君、エドモンドから魔鏡を取り上げて！

そしたらリリーの魔法で、エドモンドを跡形もなく焼き払うよ。

その魔鏡さえなければ、リリーの魔法が使えるの！」



僕はリリーの言っていることを即座に理解し、エドモンドが魔鏡を持っている左腕を細身の剣で、バッサリと斬り落とした。



そして僕は後ろへと飛び跳ね、リリーに向かって叫んでいた。
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