病んでる僕と最強の勇者たち
「きゃぁぁぁ！

何かに足をつかまれたよ！

助けて！」



黒い触手に足を捕まれたリリーの体がフロアーの天井の方へ引っ張り上げられていった。



そして、そんなリリーの体に黒い触手がたくさん群がり出した。



そんな突然の出来事に、僕が何をすれば良いかわからず戸惑っているとき、ブライアンがまるで光のような速さで、剣を片手にリリーの方へとジャンプしていた。



そして、リリーの足を掴んでいる黒い触手を斬り落とし、ついでに回りに見えている黒い触手も一瞬のうちに斬り落としてしまった。



僕はそんなブライアンの様子を見ながら、天井の方から落下してくるリリーの方へと走っていた。



(リリーが床に叩きつけられる。

僕がリリーを受け止めなくちゃ)



僕は全力で走り、小柄なリリーの体をキャッチした。



するとリリーは驚いた顔で僕を見た後に、にっこりと笑って、こう言った。



「明彦君、ありがとう。

リリーはまた明彦君に助けられたね」



そう言って笑ったリリーは、ものすごくかわいかった。



僕はそんなリリーの笑顔につられて、無意識のうちに笑っていた。
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