病んでる僕と最強の勇者たち
「剣を捨てたか、ブライアン。

さすがは世界の英雄だ」



ダーギルはそう言うと、剣を捨てたブライアンに近づき、また曖昧な実態の体を黄色く体を光らせた。



「だがな、貴様のその英雄気取りの態度のせいで、貴様の寿命がここで終わる。

貴様のお人好し過ぎる愚行を地獄で悔いな。

死ね、ブライアン!

ギガントサンダーボルト!」



ダーギルが雷系の最強の魔法を唱えると、何もないはずの暗闇の空間から、巨大な稲妻が落ちてきて、ブライアンの体に直撃した。



そしてダーギルの強烈な雷系の魔法を受けたブライアンは、大ダメージを受けながら、苦痛の中で叫んでいた。



(ダーギルは汚い……。

本当に汚くて、許せない……)



僕はダーギルの雷系の魔法を受けて苦しむブライアンを見ながら、悔しくて泣いていた。



ブライアンはあんなにも強いのに、ダーギルの汚さの前に、無抵抗のままダーギルの攻撃を受けていた。



人質に取られているルキア姫を守るために、ブライアンは自らを犠牲にしている……。



でも、このままでは最強の勇者と言われているブライアンが死んでしまう……。



僕は涙でにじむ視界の中で、絶対にブライアンを救わなくちゃと、強く思った。



圧倒的な強さを持つブライアンは僕の憧れだ。



僕はそんな思いの中で、ブライアンを絶対に救うと心に誓った。
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