病んでる僕と最強の勇者たち
(闇の弱点はおそらく光。

強烈な光は闇を消し去る。

僕は光の魔法を唱えるんだ。

自分が強烈な光を放つことをイメージしろ。

僕ならできる。

絶対に!)



僕はブライアンを救うために、光の魔法を放つことを決意した。



そんな僕は、まだ光の魔法を使ったことがないし、自分が光の魔法を使えるのかもわからない。



でも僕は、自分が光の魔法を使えると信じきった。



なぜなら僕は、最高のステータスを持つ最強の賢者だから。



そんな僕に使えない魔法は、きっとないと思えるから。



僕は身体中に貯め込んだ魔力を強烈な光を放つために一気に解き放った。



「光の神よ、闇を照らせ!

光の魔法、サンライト!」



僕が魔法を唱えた次の瞬間、僕の体から強烈な光が解き放たれた。



そして最上階のこのフロアーから闇が消え去り、ダーギルの魔力が落ちたそのときに、僕はルキア姫がいる方へと走り出していた。



ルキア姫をダーギルから取り戻せば、僕たちの大きな弱点がなくなる。



僕は走りながら剣を握りしめ、ルキア姫のそばにいたダーギルの分身を一撃で斬り裂いた。



そして僕は柱に縛られていたルキア姫を解放し、ブライアンに向かって叫んでいた。



「ブライアン、ルキア姫を奪還したよ。

もう遠慮はいらない。

ダーギルを倒して!」



僕がそう叫んだとき、ブライアンはまるで糸が切れた操り人形のように、うつ伏せにバタリと倒れた。



僕はその衝撃的な瞬間を見て、心臓が止まるような思いで叫んでいた。



「ブライアン……。

どうしたんだよ、ブライアン!」



僕たちのパーティは床に倒れたまま動けないでいるブライアンを見て凍りついた。



ブライアンはまだ生きているのか?



もしかしてブライアンは……。



みんなが同じときの中でそんなことを考えていたとき、怒りに満ちたリリーが怒ったときにだけ身にまとう禍々しい黒いオーラを身にまとって、ダーギルをにらみつけた。



「ブライアンの男気を利用したダーギルをリリーは許さない!

ブライアンの仇はリリーが取る!

リリーは絶対にダーギルを許さない!」



そう言ったリリーに、僕は底知れぬ恐ろしさを感じていた。



僕はまだリリーのすべてを知らない。



おそらくリリーは、僕の知らない何かをきっとまだ内に秘めているはずだった。
< 201 / 239 >

この作品をシェア

pagetop