病んでる僕と最強の勇者たち
僕がルキア姫にその身を守ることを誓うと、ルキア姫は目を涙で潤ませながら、明彦にこう言った。
「ありがとうございます、明彦様。
私は明彦様の言うように、明彦様たちの後ろに隠れています。
もう二度と、明彦様たちの戦いの邪魔をせぬように」
「ルキア姫、ダーギルとの戦いが終わったら、僕とたくさん話をしましょう。
僕はルキア姫と共に、ベルミータ国の明るい未来を語りたい。
ベルミータ国を覆っているあの黒い雲がなくなり、明るい日の光が差すベルミータ国の草原の中で」
僕がそう言った後、僕とルキア姫は見つめ合い、互いの気持ちを確認しあった。
そして僕たちは別れ、僕はブライアンの元へと走り出した。
リリーとマギーは、相変わらずダーギルと激しい戦いを繰り広げていた。
そんな中、僕は床の上にうつ伏せで倒れているブライアンを抱きかかえて、大ダメージを受けているブライアンに話しかけていた。
「ブライアン、大丈夫?
しっかりして!」
ブライアンは僕の呼びかけに返事もできずに苦しんでいた。
でも、ブライアンはまだ生きている。
僕はその一点に希望を見出だし、道具袋から取り出した回復薬をブライアンに飲ませていた。
最強の勇者、ブライアンは、またこの戦場の中で躍動する。
僕はそう信じていた。