病んでる僕と最強の勇者たち
僕が目を向けた先で、ブライアンとダーギルが高速で剣を交えていた。



僕はこの二人の戦いの一瞬の隙をついて、ダーギルに魔法を直撃させなくてはならない。



僕のその攻撃が直撃したら、リリーの魔法でダーギルの時間を止める。



そして、時間が止まったダーギルをマギーの重殺剣で斬る。



僕たちのこの作戦を成功させるためには、まず最初に僕の魔法をダーギルに直撃させなくてはならなかった。



僕はマギーが立てた作戦を成功させるために、絶対にダーギルに魔法を直撃させると心に誓った。



(ダーギルの動きが速い……。

目でダーギルの動きを追ったら、きっと僕の魔法は当たらない。

ダーギルの邪悪なオーラを感じ取らなくちゃ。

そして僕はダーギルの動きを予測するんだ)



僕は静かに目をつぶり、ダーギルの邪悪なオーラに意識を集中した。



すると目をつぶった僕の頭の中に二つの強いオーラがぶつかり合うのが見えてきた。



黒いオーラがダーギルで、赤いオーラがブライアンだ。



互角の戦いを続ける二人が一瞬だけ離れたとき、僕は渾身の魔法を放つ。



僕たちの勝利のために。



ベルミータ国の平和のために。



そして僕が意識を集中してから五分後、ついに二つの大きなオーラが離れた。



僕はその一瞬の隙を見逃さず目を見開くと、渾身の魔法をダーギルに向かって解き放った。
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