病んでる僕と最強の勇者たち
「ねぇ、みんな聞いて欲しいんだ。

僕は元いた世界で一度死んだんだけど、そんな僕を女神のフローラさんが異世界転生させてくれて、だから僕はここにいるんだ。

僕はフローラさんのおかげでみんなに会えた。

僕はそのことにすごく感謝している。

みんなは僕の最高の仲間だと思うから」



僕の話をみんなが真剣に聞いていてくれた。



僕はそんな仲間たちの前で、話の本題に入っていった。



「昨日の夜、その女神のフローラさんが、僕の心に直接話しかけてきたんだ。

『明彦君は闇の魔王、ダーギルを倒して、ベルミータ国に日の光を取り戻すっていうミッションをクリアしたから、元の世界に戻れるよ。

元の世界でもう一度、生き返れるよ』って……。

僕は正直、元の世界に戻るのが僕の本当の幸せなのかわからない。

でも、僕は元の世界に戻らなくちゃ……。

僕は元の世界の人間だから」



僕はそう言うと、この世界で出会った最高の仲間たちに目を向けて、本当の自分を語り出した。



「僕はこの世界に来て、LV99の最強の賢者になれたけど、本当の僕はそんなに強い人間じゃないんだ。

元の世界の僕には友達がいない。

僕の周りにある世界はとっても小さくて、僕はその小さな世界を必死に守って生きてきた。

本当の僕は、みんなみたいなすごい人たちと仲間になれるような人間じゃなくて……。

僕は、弱くて、卑屈で、臆病な引きこもりのダメ人間で……。

僕はみんなみたいに強くなりたい。

誰からも認められるように強くなりたい……」



僕はそう言うと、みっともなくボロボロと泣いていた。



僕はどこまでいっても弱い人間だ。



そんな僕は、最強の仲間たちとはやっぱり違う。



僕がそんなことを思っているとき、ブライアンが僕に話しかけてきた。
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