病んでる僕と最強の勇者たち
(僕の右手から炎が飛び出した。

これが僕の魔法の力?

僕は本当に賢者なんだ……)



初めて魔法を使えたとき、僕は異世界に来たことをようやく実感し始めていた。



そして僕は自分の高いステータスからもっとすごい魔法が放てるはずだと思っていた。



セクシーな女神のフローラが、僕を最強の賢者にしてくれたと、僕は信じている。



僕はもう元の世界にいた頃のように、ザコキャラではないはずだ。



ネガティブで病んでる僕の心に、健全さを取り戻したい。



僕は最強の賢者になりたいんだ!



僕はそう心に誓って、また右手に魔力がこもるイメージを持った。



そして僕はものすごい魔法を放つつもりで、一気に魔力を放出していた。



「でぇやぁぁぁ!」



僕の中二病魂が、僕をアニメの主人公のような気持ちにさせていた。



そして次の瞬間、僕は見てしまった。



僕の右手から放たれた巨大な炎の塊を……。



僕は自分の魔法のすごさに驚き、ヘナヘナとその場に座り込んだ。



(これがオレの炎の魔法……。

すげぇ……。

マジですげぇよ……)



僕は自分の中に秘められている実力を知り、自分が今、夢物語の主人公であることを感じていた。



あんなにヘタレだった但野明彦が、この世界では最強だなんて……。



僕は不思議な高揚感の中で立ち上がり、自分の炎の魔法に名前をつけようと考え始めた。
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