病んでる僕と最強の勇者たち
(やっぱり魔法の名前はカッコいい方がいいよな。

それに炎をイメージさせる名前じゃなきゃダメだ。

炎が燃え盛るイメージで、メラメラと言うのはどうだろう?

僕の魔法は特大だから、ビッグメラメラと名づけよう)



ついに手に入れた初めての魔法に僕は素敵な名前をつけた。



そして魔法を手に入れた僕は、急に強くなれた気がしていた。



魔法を使えるなんて、本当に子供の頃に見た夢のようだ。



僕は大人に近づくにつれ、その夢をいつの間にか忘れてしまっていたけど、今の僕にはその夢が現実になっている。



僕はうれしくて笑いながら、お気に入りの賢者のローブについた土を払い、再び盗賊を追いかけ始めた。



この街の人たちが僕の活躍を待っている。



僕は自分にそう言い聞かせていた。
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