病んでる僕と最強の勇者たち
「オレの名前はブライアン。

人はオレを最強の勇者と呼んでいる」



最強の勇者……。



僕はその言葉に激しく反応していた。



それじゃ、僕がこの出会いの街で探していたのは、この金髪の少年なのか?



フローラやシェーラもこの金髪の少年のことを最強の勇者と言っていたのだろうか?



僕は突然現れた探し人に心から興奮していた。



「チクショー!

賢者だけじゃなくて、勇者まで出てきやがった。

本当に今日は厄日だぜ」



ひげ面の盗賊はそう言って、逃げる体勢に入っていた。



でも、僕はそんなひげ面の盗賊を逃がすわけにはいかなかった。



だってヤツは、貴族風の若い女性から奪った指輪を持っているのだから……。
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