病んでる僕と最強の勇者たち
僕は珍しく楽しい未来を想像していた。



最強の賢者になった僕と僕の仲間になってくれる最強の勇者たち……。



そんな夢設定の物語の中で、僕にはどんな冒険が待っているのだろう？



僕は早くその答えを知りたかった。



「1……、0！」



フローラのカウントダウンがついに終わった。



その瞬間に僕は思わず息をのんだ。



僕は本当に異世界転生できたのだろうか？



僕がそんなことを考えていたとき、僕の耳元で若い女の人の声が聞こえた。



「賢者様、起きて下さい。

賢者様のお力でベルミータ国を救って欲しいのです」



僕はその声を聞きながら、ゆっくりと目を開いた。



すると僕の視界の中に、純白のドレスを身にまとった美しい女性が入り込んだ。



そしてそのとき、僕はハッキリと理解していた。



僕はフローラの言葉通り、本当に異世界転生したのだと……。



「賢者様……。

やっとお目覚めになりましたか」



純白のドレスを着た美少女はそう言って、僕と目が合うと、うれしそうにニコリと笑った。



元の世界の僕にはあり得ない目覚めたら美少女がいるという夢設定の中で、僕の異世界生活はついに幕を開けたのだった。
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