病んでる僕と最強の勇者たち
僕が出会いの街に行ったときと同じように、僕たちは暗闇の森の中の道を歩いていた。



そして僕はこの暗闇の森の暗い道を不気味に思った。



だって、この暗闇の森の中には、きっと恐ろしいモンスターが身を潜めているから。



僕がそんな張りつめた気持ちの中で暗闇の森の中を歩いているとき、ブライアンの緊張感のない声が聞こえてきた。



「ベルミータ国は暗くて歩きづらいな。

何とかならねぇのかよ

暗いのって、何にも見えなくてつまんねぇよ」



「リリーの魔法なら、辺りを明るくできるよ」



リリーがそう言うと、ブライアンが急に笑顔になってこう答えた。



「助かるぜ、リリー。

お願いだから、リリーの魔法で、この暗闇の森の中を明るく照らして欲しい」



僕は三人の仲間の会話を聞きながら、三人の仲間たちの考えに、自分の身を守るのに大切なことが抜け落ちていることに気づき、慌てそれを口にしていた。



「ちょっと待って!

暗闇の中で明かりをつけると、モンスターたちが寄ってくるよ。

だから、この森の中で辺りを明るくするのはとっても危険なことで……」



僕がそう言うと、ブライアンが余裕の笑みを浮かべて僕に言った。



「心配するなよ、明彦。

闇の魔王、ダーギルならともかく、この森の中にいるモンスターなんかに、オレたちは負けねぇ。

だってオレたちは最強のパーティなんだぜ」



ブライアンが自信満々にそう言うので、僕はそれ以外、何も言うことができなかった。



そしてブライアンの言葉を聞いた後に、リリーがうれしそうにみんなに言った。
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