病んでる僕と最強の勇者たち
異世界生活の始まり
僕は少しおどおどしながら、僕の顔を見つめている金髪の美少女を見つめていた。



元の世界で僕と女の子の顔がこんなにも近づいた瞬間は未だにない。



僕は初めて出会った美しい少女の顔にドキドキしながら、ためらいがちに口を開いた。



「あのう……。

あなたはいったい……」



僕はこの異世界で最強の賢者に転生しているはずだったが、リアルな世界で冴えない高校生だった頃の感覚が簡単に抜けるはずもない。



僕は元々、アニオタの引きこもりで、友達なんて一人もいなかった。



もちろん、こんな美少女と話をするなんていう憧れのイベントが今まであったはずもなかった。



「私の名前はシェーラ・ビセット。

ベルミータ国王の次女です」



「ベルミータ国王の次女……。

それじゃあなたがこの国のお姫様？」



僕はそう言った後、ベッドから体を起こし、改めてこの美少女の顔を見た。



年はおそらく僕と同じ15歳くらい。



金髪ストレートの長い髪、目はパッチリ二重で優しい感じの印象だ。



それに透き通るような白い肌は美しく、その姿は僕がアニメで良く見ていたお姫様のイメージにピッタリだった。



僕は本当にお姫様が存在する世界に感動し、物語の最初にラスボスに出会ってしまったような不思議な高揚感を感じていた。
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