病んでる僕と最強の勇者たち
(ジャイアントタイガーの前足だ。

あの前足をどうにかしなくちゃ、僕はジャイアントタイガーにダメージを与えられない)



ジャイアントタイガーに近づく度に、僕はジャイアントタイガーの前足で体をなぎ払われ、体を吹き飛ばされていた。



そんなジャイアントタイガーのペースで戦っていては、僕の勝機は見えてこない。



今の僕に必要なのはスピードだ。



僕にジャイアントタイガーの前足をかいくぐることができるくらいのスピードがあるならば……。



僕はそう思った次の瞬間、自分のステータスのことを考えた。



LV99の賢者に素早さが備わっていないわけがない。



僕は自分が風になったイメージで、再びジャイアントタイガーへと走り出していた。
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