病んでる僕と最強の勇者たち
(フローラさん、僕はあなたのおかげで、この異世界で最強の賢者に転生することができました。

そんな僕がこんなとこで負けるわけにはいかない。

僕は変われた……。

僕はもうヘタレの明彦じゃないんだ!)



僕が猛然とジャイアントタイガーに突っ込んでいったとき、ジャイアントタイガーの巨大な右前足がまた僕へと襲いかかってきた。



でも、僕はジャイアントタイガーのそんな攻撃にも怯まず、自分が風になったイメージで、素早くジャイアントタイガーの懐に入っていった。



そして僕は間一髪でジャイアントタイガーの右前足をかいくぐり、ジャイアントタイガーの懐へと飛び込んだ。



(よし、今だ!)



僕は細身の剣を両手に持ち、ジャイアントタイガーの胸を大きく、そして深く斬り裂いた。



その瞬間、ジャイアントタイガーの体から真っ赤な血が吹き出してきて、ジャイアントタイガーの悶えるような雄叫びが聞こえた。



僕はそんな悶え苦しんでいるジャイアントタイガーに、僕が唯一使える魔法を全力でぶちかまそうと、右手に魔力を込めていた。
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