病んでる僕と最強の勇者たち
僕たちはベルミータ国の小さなお城に入っていき、シェーラ姫を探していた。



ベルミータ国のお城は小さいとはいえ、建物の中の装飾がとても美しくて、目を見張るものがあった。



そして、お城の中の美しい装飾に対して、仲間たちの反応はそれぞれ違っていた。



ブライアンは建物の中の装飾を気にも止めず、リリーは落ち着かない様子であちこち眺め、マギーはいつもと変わらぬ冷静な態度で建物の中の装飾を楽しんでいた。



僕はこんなにも性格が違う三人が、ずっと仲間でいたことをおもしろく感じていた。



性格が違った方がずっと仲良しでいられるのだろうか?



そんなことを思いながら。



そして、僕らが無許可でお城の中を歩いていると、僕らのところに護衛の兵士たちが慌ただしく集まってきた。



僕たちは彼らに囲まれると、護衛隊長らしき年配の兵士が僕らにこう話しかけてきた。



「無許可でベルミータ国のお城に入ってくるとは何者か?

正直に素性を話せ」



護衛隊長にそう言われると、ブライアンが先頭に立ち、得意気にこう言った。



「オレの名はブライアン・シェリー。

最強の勇者と呼ばれている男だ。

今日は最強のパーティを引き連れて、シェーラ姫に会いにきた。

シェーラ姫はどこだ?

シェーラ姫に会わせてくれ」



ブライアンがそう言うと、護衛隊長はこう言葉を返した。
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