病んでる僕と最強の勇者たち
「若造のくせに最強の勇者を名乗るとは怪しいヤツめ。

どこの国の者だ？

正直に申せ」



僕はブライアンの言葉を信じてくれない護衛隊長の前に立ち、ゆっくりと誠意を込めて事情を話した。



「僕は但野明彦という賢者です。

シェーラ姫に頼まれ、闇の魔王、ダーギルを討伐するためにこのお城に立ち寄りました。

一度、シェーラ姫に会わせてくれませんか？

賢者の明彦が来たと言ってもらえば、シェーラ姫にもわかりますので」



僕がそう言うと、護衛隊長はようやく僕たちが誰かを理解し、その態度を改めた。



「あなたが明彦様でありますか。

シェーラ姫から事情はお伺いしております。

先ほどは失礼しました。

それではシェーラ姫のお部屋へ案内させていただきます」



僕は護衛隊長が理解してくれたことにホッとして微笑んだ。



そして問題が解決したことによろこび、僕が仲間たちに目を向けると、ブライアンがいつもと違って落ち込んでいた。



僕はそんないつもと違う様子のブライアンに話しかけていた。
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