病んでる僕と最強の勇者たち
小さな問題はいくつかあったが、僕たちは護衛隊長の後をついて、シェーラの元へと歩き出した。



そして僕が歩きながら仲間たちに目を向けると、ブライアンはシェーラに会うことを期待して機嫌が良く、リリーはそんなブライアンにヤキモチを妬いて不機嫌だった。



そんな複雑な環境の中でも、マギーだけはいつも通り冷静で、僕はマギーのブレない心に感心していた。



(久しぶりにシェーラに会える。

シェーラに会えると思うと、僕もうれしいなぁ。

シェーラは見ているだけで胸が締めつけられるくらいの本当にきれいな人だから)



僕がそんなことを考え、頭の中でシェーラの顔を思い浮かべているとき、護衛隊長はある部屋の扉の前で歩くのを止め、僕たちの方を振り返った。



「ベルミータ国を救うためにお集まりいただいた戦士の皆様、ここがシェーラ姫の部屋になります。

戦士の皆様には、シェーラ姫の口から直接、ベルミータ国の現状を聞いてもらいたいと思います。

それでは戦士の皆様、私と共にシェーラ姫の部屋に入りましょう」



「みんな、行こうぜ。

シェーラ姫の元へ。

姫の願いを聞き、その願いを叶えるのが勇者の仕事だからな。

だんだん興奮してきたぜ。

シェーラ姫のどんな願いでも、この最強の勇者、ブライアン・シェリーが叶えてやるぜ」



ブライアンがそう言うと、リリーが不機嫌そうに明彦に話しかけてきた。
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