ゾーイ・テイラー〜温もり、のちにキス〜

ラックスに毛布をかけ、ロネは窓際の椅子に座り星空を見上げているゾーイに言う。ゾーイはロネを見つめ、「そうだな」と微笑んだ。

「あんな風に遊んだことなどないから、とても楽しかった」

ゾーイがそう言い、ロネはゾーイの隣に移動する。ゾーイが見上げる空は、まるで宝石箱の中の宝石のように星が煌めいている。

「綺麗だね」

ロネがそう言い、ゾーイを優しく抱き寄せる。ラックスが眠った今は、甘い二人きりの時間だ。

「ああ。こんな綺麗な星空を見るのは、久しぶりだ」

ゾーイがそう言い、ロネの頰に触れる。そしてどちらからともなく顔を近づけ、優しく唇を重ねた。ラックスを起こさないよう、いつもよりリップ音は控えめだ。

「ロネ、私はとても幸せなんだ」

ゾーイがロネに抱き付き、背中に腕を回す。ロネもゾーイを強く抱き締め、ゾーイの頭にキスを何度も落とした。

「ロネと世界中を旅して、色んなものを見てきた。森の中では知らなかったことを、ロネが教えてくれた。……そして今は、こんな私を母親だと思ってくれる子がいる」