ゾーイ・テイラー〜温もり、のちにキス〜
ゾーイの言葉に、ロネの頭の中にリリスに来る前に見た夢を思い出す。それと同時に胸が高鳴っていった。

「俺も幸せだよ。ゾーイがたくさん笑ってくれて、とても可愛い。毎日が刺激的で楽しいよ。……愛してる」

ロネとゾーイはまたキスを繰り返す。ロネの中にある決意が生まれた。



ロネはある決意をし、ゾーイに内緒で準備を進めることにした。もちろん突然思い立ったことなので計画はなく、町にある数少ないお店を見て回ることから始まった。

「ロネ、今日の予定はどうするつもりなんだ？」

着替えを済ませ、出かける支度をするゾーイにロネは少し考えてから言う。

「午前中はラックスと遊ぼうかな。午後からは行きたいところがあるから別行動で」

「わかった。珍しいな、お前がそんなこと言うなんて……」

ゾーイは不思議そうな顔で言う。ロネはニコリと笑って財布をダウンジャケットのポケットの中に入れた。

ロネが求めているものはこの町には売られていない。そこでロネは魔法を使ってリリスの首都まで行こうと計画している。
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