ゾーイ・テイラー〜温もり、のちにキス〜

ロネは目を輝かせ、早速通りを歩いていく。おしゃれなお店を見るのは久しぶりだ。

「とりあえず、このお店から見ていこう」

ロネは木造の小さなお店の中へと入っていく。ここは宝石屋だ。宝石で作られたアクセサリーなどがたくさん売られている。

「すみません！彼女に渡す婚約指輪を探しているんですが……」

店員にそう言いながら、ロネは照れて顔を赤くしてしまった。ゾーイの反応を考えるだけで緊張してしまう。まるでゾーイのことを好きだと初めて知った時のようだ。

「フフッ。婚約指輪、素敵ですね！一緒に選んでいきましょうか」

店員はクスリと優しく笑い、ロネに柔らかな椅子を勧める。ロネは緊張しながら椅子に座った。店員が宝石の入った箱を持って来て、ロネの目の前に並べていく。

「定番はダイヤモンドですね。他のストーンに比べても光の屈折度が高く、綺麗に輝きますよ。それに天然の鉱物の中で最も硬くて割れることが少ないです。石言葉は「永遠の絆、純潔、不屈」ですね」