ゾーイ・テイラー〜温もり、のちにキス〜
「ルビーは宝石の女王とも呼ばれるんです。七月の誕生石で石言葉は「熱情、情熱、純愛」です」

「とても素敵です!ルビーにします!!」

一軒目であっさり指輪が決まってしまった。しかし、ロネの中でルビーの指輪以外は見えなかった。ゾーイの手にルビーの指輪をはめたいのだ。

「では箱を準備しますね」

店員は微笑み、ロネは指輪代の支払いなどを済ませていく。アクセサリーを買うのは初めてで安心した刹那、ドッと疲れが押し寄せて来た。しかし、嬉しくもある。

「喜んでくれるかな……」

「きっと喜んでくださいます。人生で幸せな瞬間の一つなのですから」

成功しますように、と店員に言われロネは「頑張ります」と笑う。そして幸せの詰まった小さな箱を受け取った。

「こんなに早く買い物が済ませられるなんて、想像もしていなかったな……」

宝石屋を出てロネは通りをブラブラ歩く。何かゾーイとラックスに買おうかとロネが考えていると、女の子が集まっているお店があった。
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