ゾーイ・テイラー〜温もり、のちにキス〜

「大切な人を守りたいのは私だって同じだ」

そう言うゾーイの目には、迷いなどは存在しない。ロネは「わかったよ」と言い杖を構える。

「俺たち二人ならきっと、どんな敵だって倒せるよね」

「ああ！！」

そう言い、二人は魔族たちに向かって走っていく。ロネは魔法を放ち、ゾーイは魔族を殴ったり蹴り上げたりしていった。

「な、何だお前らは！！」

「何って世界中を旅してる魔法使いとその恋人だよ」

ロネが放った魔法で魔族たちは気を失っていく。ゾーイは気絶した魔族たちを縄で拘束していった。

「ロネ、これで全員片付いたな」

「そうだね。警察を呼ぼう」

ロネとゾーイは顔を見合わせ、手を合わせる。パンと気持ちのいい音が響いた。

「お父さんとお母さん、かっこよかった！」

ラックスが涙を拭い、笑いながらロネたちに駆け寄ってきた。お父さんと言われロネは照れ臭くて笑う。ゾーイも顔を赤くしていた。

「首都に行ってこれを買って来たよ」