ゾーイ・テイラー〜温もり、のちにキス〜
「ゾーイ。あのね、ぬいぐるみだけを買ったわけじゃないんだ。ゾーイにどうしても渡したいものがあって……」

ロネはポケットから小さな箱を取り出す。箱の中のルビーの指輪を見た時、ゾーイの目が驚きで見開かれた。

「俺と結婚してください。ラックスを連れてあの森で暮らそう？これからも君と一緒にいたいんだ」

ゾーイの瞳から涙がこぼれ出す。そして、優しく微笑んだ。

「……はい」

ロネは指輪をゾーイの薬指にはめ、優しくキスをする。そしてふわりと抱き締めた。ゾーイの温もりが愛しい。

「私も抱き締めて！」

ラックスがそう言い、ロネとゾーイはラックスも一緒に抱き締める。そして、「今日からラックスは家族だよ」と言った。

「家族！？やった〜！！」

笑顔のラックスにロネとゾーイは唇を落とす。そして微笑み、また二人で唇を重ねた。



それから数年後、ゾーイが育った森の中にある一軒家ではその家に住む家族がバタバタと動き回っていた。

ロネは魔法で隅々まで掃除し、ゾーイとラックスが料理を作っている。ロネはリビングを覗いた。
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