その恋は、ドミノ倒しに
幼い頃から、君を見てきた。

家が近くて、小さな頃は毎日のように外で遊んだし、何かにつけて一緒になることが多かった。

秘密基地も作ったり、ルールの改ざんをしまくったドッヂボールもしたり。

中学に上がった頃からは、そんなガキ臭いことは、あんまりしなくなったけど。

その代わりに、君はSNSにハマったり、女友達とメンズアイドルについて話すようになったりした。

たしかに君は、女の子らしい成長をしていったと思う。

その頃から、僕も、思春期らしく恋とか彼女とかに敏感になって、「女子」な君を意識し始めた。

今思えば、ずっと幼い頃から好きだったのだと思うけど、なかなか気づけなかった僕はバカだと思う。

そのまま受験をして、なんとなく高校に上がった。

近くの高校にしたので、君と同じ高校だった。

そういう君とは、未だなんだかんだ仲は良くて、物の貸し借りもしたし、夜遅くまで一緒にゲームをした。

そんな君に、僕と同じ気持ちなのではないだろうかと、何度も思ったし、物語みたいに幼馴染み同士結ばれるのではないかと、どこか期待していた。

でも、この関係を壊すのが怖い僕には、行動を起こすなんてできるはずがなくて。

それで。

そして。
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