伝えたい。あなたに。〜番外編〜
『帰りたい。』
ボソッと呟くと同時に、ベッドに パタンッ と倒れる。
『大丈夫?』
と聞くと、顔を両手で覆って肩を震わせた。
そっと背中をさすって、落ち着くのを待つ。
『私、言わなかったの。目覚めて、山瀬先生の声もしたけど、救急車の人が来ているみたいだったから、、
でも、それはダメだって、、もう何が良くて何が悪いのかわからないの。
ベッドに余裕はないからって、早く出て行けって言われてるみたいで、、
でも、いつも再発しないかとか、突然具合悪くならないかって、、』
声をつまらせながら、途切れ途切れに絞り出す声には、胸がぎゅっと締め付けられた。
『一回座ろう。苦しくなるから。』
支えて身体を起こしても、顔を両手でしっかりと
おさえている。見られたくないのだろうか。
察して、向き合わずに背中から声をかける。