伝えたい。あなたに。〜番外編〜
『気遣ってくれてたんだよね。いいんだよ。
言い出せなくても責めるようなことじゃないんだから。
ベッドがどうとかは、患者さんが気にすることじゃない。
ちゃんと治してもらうためにあるんだから。』


『うん。泣くようなことじゃないのに、ごめん。』


『いいの。不安なことがあるのは、当たり前だから。いつでも教えて。』


元気なときなら何ともないことも、体調を崩しているときは余計に塞ぎ込んだり、悪い方に考えがちだ。
それは誰にでもあることで、体は回復しても、
気持ちがついていかないと、万全とはいえない。


『ちゃんと呼吸整えて。』


まだ大きく肩を上下させるゆうかの背中にそっと手を置く。


『診察したら帰ろうね。』


『うん。』



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