伝えたい。あなたに。〜番外編〜



あまりにも、冷たいんじゃないか。
悔しくて、唇をかむ。
爪が手のひらに刺さるほど、強く握り席を立った。


診療時間真っ只中ということもあってか、外の待合室には座れそうな場所はなかった。


(多分、全部わかってて、あの人言ってる。)


遠く離れた休診の待合に腰掛ける。
正午を過ぎても、泰志に会うことは叶わず、
時間ばかりが過ぎていった。


(もう会えなくなったらどうしよう。)


悲観的な考えばかりが浮かんで、涙がにじむけれど、
私が泣いている場合ではないと、背筋を伸ばした。


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