伝えたい。あなたに。〜番外編〜
気づくと夕陽が窓から差し込んでいた。
診療時間も終わり、ひと気が少なくなる。
(元気になったから、夜ごはん食べに行こうって言ってたのに。)
ひとりまたひとりと、診察を終えて帰っていく人を
目で追いながら、泰志にもらったネックレスに触れる。
救急外来にはまだ人が出入りしているけれど、
あの看護師さんに見つかったら何を言われるかわからないと、目立たないところに陣取る。
(生きてるよね。)