伝えたい。あなたに。〜番外編〜
2時間も3時間も座り続けていると、さすがに身体が痛くなった。少し体を動かそうと、立ち上がる。


ちょうどその時、『なにしてるの?』


と後ろから声をかけられる。


(あの人だ、また私を打ち負かしに来たんだ。)


『山瀬先生、大丈夫かなって。』


すると露骨に顔をしかめて、


『まだ、待ってたの?今日は会えないと思うわ。また出直して、、』


その声がだんだん遠のいていく。
自分の体がスポンジの上にあるみたいに、
ふわふわとして、言うことを聞かない。





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