伝えたい。あなたに。〜番外編〜
真っ直ぐ見つめる瞳に吸い込まれそうになる。
ゆうかには、自分を惹きつける不思議な力がある。
例えようもないけれど、いつまでも見ていられる。
すると、真剣にこちらを見ていたゆうかの表情が、ふっと崩れる。
『負けた。』
『今、なんか戦ってた?』
『うん。』
これ以上ないくらいの、笑顔で見上げているのが、
愛おしくて、自然と口角が上がる。
悲しい時は存分に泣くけれど、嬉しい時は最高の笑顔を見せてくれてる。感情に妥協がない、とでも言えば良いのだろうか。
それが、ゆうかのチャームポイントなのかもしれないと思った。
『帰ろうか?』
『うん。』
迷いなく手を握って来るゆうかは、いつものゆうかだ。