伝えたい。あなたに。〜番外編〜
癇に障ったのか少し声を荒げる。


『あなたの言動で1人の患者さんを、どれだけ追い詰めたかわかる?知らないでしょう。ただでさえ、辛い痛みの中で不安を抱えてるの。』


『でもあの子は、ちょっと具合が悪いだけで、ああやって、、』


『あなたは彼女の何を知ってるの?

ゆうかちゃんは、小さな頃から持病を患って、入退院を繰り返しながら、やっとここまで来たの。
生死を彷徨うこともあったわ。でも、いつも笑ってた。泣いてても最後には笑ってた。そうさせたのは、
山瀬先生よ、彼女のそばで手を握って。』


『患者と医者なんて、バカバカしい。』


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