伝えたい。あなたに。〜番外編〜
   

『いつものってことは、いつも来てるんだ。』


『うん、だって広瀬の実家だよ。学生時代から来てた。ここがあったから、まだこれだけまともな身体でいられる気がする。』


『じゃあ私も明日から、めちゃくちゃ動けるかも。』


『もう一回言ってみ。』


『はい、ごめんなさい。』


(軽率な言動は控えよう、余計に怒らせることになる)


テーブル越しに座る私に泰志が手を差し出す。


『なに?』


『ごめんなさいのキス。して。』


『何言ってるの?今までそんなシステムなかったじゃん。』


差し出された手を押し返す。
なんだか変だなと感じながらも、とくに気にしないことにする。

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