伝えたい。あなたに。〜番外編〜
お風呂から上がると、リビングからテレビの音が聞こえてきた。濡れた髪にタオルをかぶせて戸を開ける。
(あれいない、、)
あたりを見回すと、机の影に扇風機の風になびく髪が目に入った。寝ているようだった。
(夏でもそのまま寝るのは、風邪ひくよ。)
ソファに畳んであったタオルケットをかけると、寝返りをうって仰向けになった。
『いつもいつも、ありがとう。』
そばに座って呟く。
まだ濡れている髪にそっと触れて、私にしてくれたように、額に唇を落とした。
『泰志、大好き。』