君との想い出が風に乗って消えても(長編)
加恋ちゃんが僕の部屋に入ってまだ30分くらいしか経っていないのに、こんな気持ち……。
こんな気持ちのまま僕はどうやって加恋ちゃんと二人で……。
僕の心の中は激しい嵐が吹き荒れていた。
僕は、この激しく吹き荒れている嵐をどうにか抑え込もうとしていた。
でも、その抑え込もうとしている気持ちとは裏腹に僕の心の中は、ますます激しく嵐が吹き荒れていた。
……どうしよう……このままでは僕は加恋ちゃんのことを……。
そうだ、何か会話を……。
何か会話をすれば、きっとこんな気持ちは吹っ飛ぶ。
僕は必死に会話を考えた。
考える……?
おかしい……さっきまでは、わざわざ会話を考えなくても自然に出てきたのに……。
それでもどうにか会話を考えようと必死に会話を絞り出そうとした。
だけど……。