君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 さっきまでのみんなの騒ぎがウソのようにシンと静まり返っていた。


 そのすぐ後にガラッと扉を開ける音がした。


 先生たちが見回りに来た。


 みんな見事におとなしく寝たふりをしている。

 僕もその一人。


 ……でも、きっと先生たちは気付いていると思う。


 僕たちが今の今まで騒いでいたことを。


 それでも先生たちは僕たちの様子を見た後、静かに扉を閉めて出ていった。


 先生たちが出ていったということは、また男子たちは騒ぎ出すに違いない。

 そう思ったけど……。


 ……あれ……?


 先生たちが見回りに来ていた間に、みんな本当に寝てしまったらしい。


 みんなが本当に寝てくれて僕は、ほっとした。


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