君との想い出が風に乗って消えても(長編)
僕は必死に理性というブレーキをかけようとしていた。
……でも……。
理性というブレーキをかけようとすればするほど、そのブレーキを邪魔している自分がいる。
ブレーキをかけたくない。
でも、かけなくては。
そんな二人の自分と闘っている、僕。
いっそのこと誰かが止めに入ってくれたら、どんなにいいことか。
もう僕一人では今の僕のことを止めることができない。
誰かが止めてくれないことには……。
……誰か……。
……誰か……僕のことを止めて……‼