君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 そして僕にはもう一つの日課が。

 それは学校に着いてすぐに花瓶の水を入れ替えること。

 僕は一学期の間、花係になった。

 花係は僕が好きな係で、クラスで係を決めるときに真っ先に花係をやりたいと手を挙げた。

 クラスの男子たちからは「男子が花係をやるなんて」と言われたけど、そんなことは全く関係ない。

 僕は木や草や花が好き、緑が好き、自然が好き。

 だから誰に何を言われようと僕は花係をやり続ける。

 僕は、できれば二学期も三学期も花係をやりたいと思っている。

『今日も花たちはきれいだ。少しでも長くきれいに咲いていてね』

 僕はそう思いながら花瓶の水を替える。

 そしてきれいな水に替えた花瓶を教室に運ぶ。


 それも僕が楽しみにしている日課。

 僕は、木や草や花に関わることはとても好き。

 僕にとって木や草や花に触れることは、生きがいを感じると言っても過言ではない。


 僕はそう思いながら花の図鑑を返した。


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