君との想い出が風に乗って消えても(長編)
12月25日。
今日は加恋ちゃんと恋人同士になって初めて過ごすクリスマス。
今日もいつものように待ち合わせ場所の公園に行くところ。
公園に行くまでの道のり。
僕は、その道を歩きながら周りを見渡す。
今日はクリスマスというのもあってか、心なしかカップルが多いような気がする。
そうして僕が周りを見ながら歩いていると……。
「優くん‼」
「加恋ちゃん」
公園に行く途中の道で加恋ちゃんと会った。
「公園に着く前に少しでも早く優くんと会えて嬉しい」
加恋ちゃんがとびきりの笑顔で可愛らしく言った。
「僕も少しでも早く加恋ちゃんに会えて嬉しい」
僕は、そう言って加恋ちゃんの手をやさしくつないだ。