君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 誰もいないはずの教室で美しく透き通るような歌声が聞こえてきた。


 僕は足音を立てずにゆっくりと教室の方へ向かって行った。


 教室に近づくにつれ、僕の心臓は少しずつ鼓動を早めていく。


 少しずつ教室に近づき、教室のドアの前に着いた。


 ドアには小さな窓ガラスが付いている。


 僕は、とりあえずその小さな窓から少しだけ覗いてみようと思った。


 その小さな窓から覗いてみようと思ったら、さらに僕の胸の鼓動が激しくなった。


 僕は激しくなる胸の鼓動を必死に落ち着かせようとした。


 でも一度激しくなった胸の鼓動をなかなか落ち着かせることはできなかった。


 僕は胸の鼓動が落ち着かないままドアの小さな窓を覗き込んだ。


 そして教室のドアの小さい窓から見えたのは……。


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