君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 花咲さん……⁉



 僕は驚き過ぎてドアの前に立ち尽くした。


 花咲さん……。


 美しく透き通るような歌声……。


 きれい……。


 花咲さんは窓の外の方を見て歌っていた。


 窓から入り込むやさしい太陽の光が花咲さんをやさしく包み込んでいた。


 やさしい太陽の光に包み込まれた花咲さんは、より一層美しさと輝きを増していた。


 その美しさと輝きは、太陽の光というスポットライトを浴びているようだった。


 僕は美し過ぎる花咲さんの姿と歌声に目と耳を奪われた。


 美し過ぎる花咲さんの姿と歌声に僕の身体は動きを止めた。


 まるで魔法でもかけられたかのように……。


 今日、僕は二度、花咲さんの魔法にかけられた。


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