君との想い出が風に乗って消えても(長編)
「恥ずかしがらなくていいよ」
そんな加恋ちゃんのことを可愛いと思いながら僕はそう言った。
「優くん……」
加恋ちゃんは恥ずかしそうに少し下を向いた。
そんな加恋ちゃんのことを見つめている、僕。
そして、そんな加恋ちゃんのことを見つめている僕の片手にはチョコレート。
もう片方の手は加恋ちゃんの後頭部にそっと触れている。
僕が加恋ちゃんの後頭部をそっと触れていたら、加恋ちゃんは少しだけ顔を上げた。
そして恥ずかしそうに口を小さく開けてくれた。
僕は加恋ちゃんの口にチョコレートを入れた。
加恋ちゃんの口の中にチョコレートが入った後も、加恋ちゃんは恥ずかしそうにしていた。
そして恥ずかしそうにしている加恋ちゃんは僕にぎゅっと抱きついた。
そんな加恋ちゃんがとてもかわいい。
僕も加恋ちゃんのことをぎゅっと抱きしめた。
「……加恋ちゃん」
僕は加恋ちゃんのことを抱きしめながら……。