君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 春休みに入った。



 今日は加恋ちゃんと秘密のあの場所に行く約束をしている。


 今日、秘密の場所に行くことになったのは加恋ちゃんのリクエストだった。


 今日、どうしてもあの場所に行きたいということだった。





 僕は、いつもの待ち合わせ場所の公園に行く。



 そして公園に着いた。


 公園にはすでに加恋ちゃんがいた。


「おはよう、加恋ちゃん」


「おはよう、優くん」


 いつもの笑顔の加恋ちゃん。


 そして今日も加恋ちゃんはかわいい。



「優くん」


「うん?」


「秘密の場所に行くのは昼の3時過ぎくらいでもいい?」


「うん、いいよ」


「ありがとう、優くん」


 いつも時間指定をしてこない加恋ちゃんが今日初めて時間指定をした。


 時間を指定するなんて珍しいな……。


 3時過ぎになにかあるのかな……?


 それともたまたまかな……。


 僕は、そう思いながらも特に気にしてはいなかった。


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