君との想い出が風に乗って消えても(長編)



 どうしたんだろう、加恋ちゃん、遊園地に行ったことないということでなにか言えない事情でもあるのだろうか。


 僕、なにかまずいことでも訊いてしまったのかな……?


「ごめん、加恋ちゃん。僕、なにか余計なこと……」


「ううん、いいの。ごめんね、わたしの方こそ」


「加恋ちゃんが謝ることではないよ。僕がずかずかと訊いちゃったから……」


「そんなことない。優くんは全然悪くない」


「加恋ちゃん……」


「じゃあ、行こう、優くん。わたし、早く遊園地に行きたい」


「うん、行こう、遊園地に」



 こうして僕と加恋ちゃんは遊園地へ向かった。



 電車に乗り、遊園地の最寄り駅に着いて、10分くらい歩いたら遊園地が見えてきた。



 そして遊園地に着いて、僕は加恋ちゃんに何の乗り物に乗りたいかを訊こうと思った。


「加恋ちゃん、何に乗りたい?」


「う~ん、何に乗りたいか迷っちゃう」


 加恋ちゃんが遊園地に来たことがないのなら、まずはやさしい乗り物からの方がいいのかな……。


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