君との想い出が風に乗って消えても(長編)
4月の中旬。
僕は中学三年生。
三年生になって園芸部の部長になって、さらに部活に励んでいる。
「うん、今日もいい調子」
草花たちが元気にきれいに咲いていてくれると僕も元気になる。
草花たちと共に生きていることの幸せ。
僕は、その喜びをしみじみと感じていた。
* * *
部活を終え、学校を出たところ。
「……そろそろ咲いている頃かな」
僕は学校を出てそのまま秘密の場所に行くことにした。
僕は年に一度、数日間、咲いている一輪の花を見に行くことがとても楽しみ。
その一輪の花が咲いている間は、ほぼ毎日、秘密の場所に行っている。