君との想い出が風に乗って消えても(長編)





『来年の今頃は、ここにはいない』





 来年が来なければ僕はこのまま加恋ちゃんと一緒にいることができる。


 僕は加恋ちゃんと一緒にいたい。


 加恋ちゃんとずっとずっと一緒にいたい。


 僕は……。


 僕はたぶん……。


 ううん、たぶんじゃない……。


 僕は……加恋ちゃんのことが……。


 加恋ちゃんのことが…………好き…………みたいだ…………。



 いつから……。


 たぶん初めて会ったあの日から……。


 あの日、加恋ちゃんを一目見たときから……。





 加恋ちゃん……知りたいよ……。


 僕は、やっぱり知りたいよ……。


 どうして……どうして……。





 どうして『来年の今頃は、ここにはいない』の……?





 加恋ちゃんは「時期が来たら話す」って言っていたけど、なんで『時期が来たら』なの……?


 なんで『今』じゃダメなの……?


 確かに今話してくれても、加恋ちゃんが来年の今頃は、ここにはいないという事実は変わらないのかもしれない。


 ……でも……でも……。


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